デジタルツインで不動産が売れまくる!?

高度経済成長期から現在に至るまで、不動産ビジネスといえば造れば「売れる、借りてもらえる」というまさに売り手市場でした。しかし、これからの時代は人口減少や少子高齢化、さらに若い世代の価値観の多様化により、買い手市場へとシフト。不動産を所有していても「売れない、借りてもらえない」という状況が刻々と迫っています。

そんな不動産ビジネスの暗黒期に一筋の光をもたらすのが「デジタルツイン技術」です!ここでは新時代を迎える不動産ビジネスに欠かせない「デジタルツイン不動産」について解説していきます。

CONTENTS

  1. 売れない時代は目の前まで来ている!
  2. 不動産が売れない理由とは?
  3. デジタルツインで何ができる?
  4. デジタルツインで不動産が売れまくる!?
  5. まとめ

売れない時代は目の前まで来ている!

ここ最近、不動産ビジネスで目立っているのが東京のオフィスの異常なまでの空室率です。新築でさえもフリーレントになっており、すでに空き物件がなかなか埋まらない状況になっています。大手企業でさえ半年のフリーレントだけでは収まらず、さらに家賃半額のようなことまで試みているほど厳しい現状です。

もともとコロナ渦で経営が厳しかったオフィス中心の中小企業は、ゼロゼロ融資で延命はしていたものの今後どんどん倒産が増えていくのが予想されています。至るところで工事をしているので景気が良くなったように見えますが、実際は需要がないのに新築を作りすぎた感が否めません。すでに「売れない、借りてもらえない」時代がやってきているのです。

不動産が売れない理由とは?

すでに不動産の売却を試みているものの、売れ残ってしまいそうで困っている人もいるのではないでしょうか。不動産がなぜ売れないのか、まずはその主な理由をチェックしていきましょう。

景気が落ち込むと、最も大きな影響を受けると言われる不動産ビジネス。当たり前ながら、不動産を買いたい、借りたい人がいなければ「売れない、借りてもらえない」状況になってしまいます。マンションや戸建てなどの住居系不動産は景気による変動を受けにくいとされていますが、それも人口減少が止まない日本においてはいつまで続く話かわかりません。

んなに良い条件が揃っていても、最終的には相場よりも高すぎる価格を設定していては、なかなか買主は見つかりません。いまは買主も不動産情報をインターネットを使って簡単に手に入れられます。誤魔化しが効かないからこそ、適正な価格設定が必要です。

駅やバス停までの距離が離れていたり、周辺にスーパーやコンビニなどがなかったり、立地条件が悪い不動産は人気がありません。また嫌悪施設が近くにあるなど、周辺環境の状況も売りやすさに大きく影響してきます。

近年、中古市場は人気があるものの、古すぎる物件はそれ相応に価格を落とさないと買主は見つかりません。築年数30年以上のものは配管などのライフラインの損傷も考えられるため、場合によっては修理やリノベーションが必要となることも。さらに、旧耐震基準の物件は現行の新耐震基準と比べて売れにくい傾向があります。

デジタルツインで何ができる?

現実世界の物体や環境から収集したデータを使い、仮想空間上に全く同じ環境を再現する技術です。インターネット上の仮想空間であるメタバースと似ていますが、デジタルツインの大きな特徴は、現実世界と仮想空間上のものがリンクしている点。例えば、不動産に適用する場合、建物や土地のデジタルツインを作成することで、次のようなことが可能になります。

現実世界の不動産物件(建物、土地、施設など)を、デジタルツインとして仮想空間でモデル化。これには、物理的な特性、構造、設備、および周辺環境などが含まれます。このデジタルモデルは、不動産物件を正確に再現し、リアルタイムでデータを収集、分析、可視化できるため、効果的な管理と運用が可能です。

不動産購入者や賃借人は、物件を実際に訪れる前にデジタルツインを使用した仮想内見サービスを利用できます。物件の間取り、デザイン、設備などをリアルな感覚で体験でき、物件を選ぶ際の意思決定を支援。これは特に、遠隔地からの不動産取引や、コロナウイルスのような感染症の影響下での需要が高まっています。

建物や施設の運用とメンテナンスにおいてもデジタルツインは有用です。リアルタイムのデータ収集により、建物のパフォーマンスや設備の健全性をモニタリング。問題が発生する前に予防措置を講じることができ、建物の効率性向上とメンテナンスコストの削減が実現します。

不動産業界におけるデジタルツインの導入は、効率性向上、顧客体験の向上、リスクの軽減など多くの利点をもたらします。今後は不動産業界でさらに普及し、新たな革命をもたらすことは間違いありません。

デジタルツインで不動産が売れまくる!?

デジタルツインと不動産の相性は非常に良いものの、ただ仮想空間に所有不動産と同じものを建てれば良いわけではありません。不動産を「デジタルツイン不動産」として売れる不動産に変えるためには、ブロックチェーン技術の導入も絶対不可欠です。

デジタルツインにブロックチェーン技術を用いた不動産登記システムを加えることで、現実世界と仮想空間での所有権をリンク。誰でも自由に創造できる仮想空間において、唯一無二の不動産であることを証明するための証となるわけです。また、ブロックチェーンはデータの透明性が高い上、耐改ざん性の高さも大きな特徴となっています。セキュリティーも強固で、独自に集めた情報を守るにも最適です。

現実世界のみならず、仮想空間に作られる唯一無二の不動産と情報。既存の不動産にこれらが付与されることで新たな資産価値が生まれ、これまで売るのが難しかった不動産を「売れる」不動産へ変えることができます。

まとめ

「売れない、借りてもらえない」時代を迎える不動産ビジネスにおいて、これから大切なのは今までにない新たな価値の創出です。売り手市場から買い手市場に変われば、必然的に資産価値が高いものから売れていきます。

これまでの常識だけで考えると、売れない条件が揃った不動産に新たな価値を加えるのは至難とも言えますが、デジタルツイン+ブロックチェーンを活用すればそんな苦労は必要なし!「デジタルツイン不動産」でより豊かな資産形成を目指しましょう。